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ハリー送別会、呪い、そして再生 [その他イベント]

26日金曜日、ハリーさん送別会本番。

そもそもハリーさんの退職というのは、僕にとっても、同僚一同にとってもたいへん重要な意味を持つものであった。
中途採用だらけのわが社にあって、勤続年数も忠誠心も高いのに、上司の機嫌のせいで不遇な立場で退職することになる、というのはかなりのレアケースであり、実際問題許されるべきことではない。あっちゃならないのだ。

ハリーさんははっきり言ってオタクであるが、技術立国日本を支えているのはオタクであるなんていう一般論以前に、わが社にとってもたいへんに価値がある技術屋だった。
それだけでなく、他人が困っていることを解決することに喜びを感じる心の優しい男だったのだ。
俺は個人的に彼に受けた好意や恩義を忘れていない。
(僕がLAST EXILE というGONZOのアニメが面白そうだ、と言ったら、全部で28話もあるのに、3話ずつ●ィ●ーで●●ーしてCD-ROMに焼いて毎週持って来てくれたり、俺が結婚したときなんかも自慢のPENTAXですごくいい写真を何百枚も撮ってくれたり、引越し祝いに「ベルサイユのばら米」という米を送ってきてくれたり、日曜日に取材に行きたかったのだけどカメラマンが手配つかない時に文句一つ言わず同行してくれたり、そういう公私に渡る色々なことだ)

しかし、元来営業畑を歩んできた上司達には、彼の有用性が理解できない。アホな上司というものは、自分の知っていることしか評価ができないものだ。組織論も、社会にはさまざまなスキルが必要であることもわかっていないし、ハンドリングできない。

そんなわけで、そんな無能な上層部判断に抗議し、且つハリーさんをせめて200%ねぎらい、楽しませ、新たな生活に希望を見出してもらえるよう、全力を尽くした。
これは自分のためにも、自分達のためにも、ハリーさんのためにも、全力を尽くすべきタイミングだったのだ。

で、一月半前に「俺が主幹事やる」宣言を行い、各所に協力要請。
会場は当初六本木を足で探したが良いところが見つからず、最終的に品川のVirginCafeにした。
一月の準備を経て、この日のために用意した仕込みは以下の通り。

1・美人人妻含む、3人娘のメイド コスプレ(しかも紫でセクシー)
2・ハリーさんのお面100枚。コンサートグッズ並みにクオリティ高い
3・1.5mの巨大寄せ書き横断幕(布、顔写真、アスキーアートつき)
4・クライアント・関係会社7人のビデオメッセージを撮影
5・欠席上司の北海道からの遠隔中継ビデオ
6・ハリーさんをねぎらう感動的なポエム(俺が勝手に書いた)
7・退職したマドンナからの手紙
8・俺サマの弾き語り
9・FrenchConnectionの黒いカッコイイシャツ(プレゼント)
10・サングラス(プレゼント)
11・美容師

・・・どうです。これが送別会?結婚式の二次会じゃないの?と思えるほどホンキの仕込みの数々。

無論、台本や進行表の類はきちんと用意した。
上記の仕込みは、決してバラバラに存在しているわけではなく、ハリーさんをねぎらうための流れをくんでいるのだ。

午後7時半、スタッフ会場入り。
映像・音声のシステムがヘンで、難儀。結局i.LINKケーブル接続は最後までできず、困ることになる。

午後8時前、客入れ開始。
Dスミレが受付を手伝ってくれてかなり助かった。
すでにハリーさんは近くでスタンバイ。

午後8時すぎ。
ハリーさん登場。メイド3人が「おかえりなさいませ」と最敬礼で出迎え。ハリー、この時点で既に「萌え」。

M田のアニキによる、「ハリーさんお面」で出迎え。かなりシュール。
※このネタだけは俺のハンドリングとはちょっと違う筋で進んだ。

欠席上司による、北海道からの中継で乾杯。無論これは録画テープで、実際は大森の城南島海浜公園で撮ってるのだが、かなりの人々が「本当に中継してんの?」と騙されてくれた。
これは、欠席上司の責任と存在感をまっとうさせるための仕込みである。

寄せ書きなどしながら歓談。
この間に、現金調達のために銀行に走る。

9時前。ビデオメッセージ開始。これが意外にウケる。
以前、クライアントの松田さん送別の際に、課の人々がビデオメッセージを撮って回っていたのを見ていたのでやったのだが、こんなに効果があるとは。内容もウケ、ぐっとムードがよくなる。
直後、司会のアヤパンによる元マドンナの手紙の朗読。これはもうちょっと真似っぽく読んで欲しかったな。

弾き語り。
中島ミカの「FIND THE WAY」
マイクスタンドをわざわざ自宅から持ってきてよかった。今回唯一ラッキーだったのは、マイクスタンドの規格が合ってたことだ(苦笑)
デキはまあまあ。誰も一言も発せずに聞いてくれた。取締役のM口さん、同僚のゆうこりんらが絶賛してくれた。よかったよかった。ここでかなり「泣き」のエッセンスをぶち込めた。

そしてポエムの朗読。
<冒頭略> ハリー、君の素晴らしい頭脳は、 何万テラバイトの情報のスープだ。 --(中略) 何万ページの版下と 何千人の人々の作業のために 君は労をついやしてきた。 そして 君の身の回りの ほんの何人かの人々の 困った顔や 怒った顔をやわらげるために 君は君の力をつかって解決してきた。 ハリー、君の生き方は スープのように温かい やさしさのエッセンスだ。 --(中略) ハリー、どうかこれからは、 君の周りの人々と、そして君自身の喜びのために どうかその力を使って欲しい <末尾略>

ポエムには好意的なヤジがちらほら。ありがたいことだ。「匿名希望」を司会のアヤパンに言い添えていたのでそれも功を奏した。

ここからメーンイベント。
ハリーさんの見た目を勝手に変えちまおうイベント。まず、ハタケヤマさんからFCUKのシャツをプレゼント、着させてみたら、なんとそれだけでちょっとLEON風のオヤヂに!オドロキである。
ビックリして写真を撮るやつちらほら。
・・・しかし本番はこれからである・・・。

<ここで、元上司から模型のプレゼントとスピーチ。なかなか良いスピーチ。>

流れに戻る。

ゆかどんの友達の美容師さん登場。
ステージにごみ袋しいて、ハリーを座らせ、髪をザクザク切り始める。みるみる変わっていくハリー。
切られているハリーにビールを飲ませてあげるメイド・美人人妻。
「萌え~」となるハリー。完璧である。

20分後、切り終わる。ワックスでちょっと尖らせて、メガネをサングラスに変更してみると、会場は阿鼻叫喚。あまりの変貌ぶりに悲鳴、歓声、怒声があがる。
だって、オタクのハリーさんがジョージ・クルーニーみたいになってんだもん。
そりゃあ悲鳴もあがるというものだ。
店のスタッフまであまりの変貌ぶりに大喜び。

ハリー恍惚。
立ちポーズまで変わってしまっている(笑)
よしよし、その自信で今後の人生を乗り切れよ!と思って胸が熱くなる。

その後、M口さんからのスピーチ。
図らずも、M口さんは俺の言って欲しかったことを殆ど全て言ってくれた。さすが俺の上司(笑)。わかってらっしゃる。ま、M口さんはハリーさんに関しては戦犯ではないので気楽というのもあるのだろうけど。

最後にハリー自身から長い挨拶。でもこの頃には、会場にいた全ての人間が、その長いスピーチを聞いてやろうという気になっていた。
このとき、会場に来たほぼ全ての人々に、とりあえずメッセージが伝わったことを確信した。

ダイジェストで振り返ると、結果として、達成したかったことは全て達成できたということが分かる。
細かく見ていくと、かなりツイていない点があり、我ながらよくくじけずに完遂できたと思う。


しかし、しかしである。

ここから先は呪いである。
思い入れと能力が強すぎて、フォースが暗黒面に落ちた。
かわいそうなツネキン・スカイウォーカー。
でもダークフォースは強いのだ。覚悟されたし。

来た人間には全て伝えることができたが、来なかった人間にどのくらい伝わったを考えると、無念としかいいようがない。いや、伝わりはしないだろう。来た人に最大限伝わるように、色々な仕込を内緒にしてきたからね。
欠席した人々にはつまり、何も分かってないヤツラがゴロゴロいるということだ。

前日、当日と欠席者が激増した。
たしかに時期としては最も忙しい時期に加え、ちょっとした特需のせいでむちゃくちゃ忙しい。
それは分かる。

だけどね、よく考えてみて欲しい。

ハリーさんが辞めたってことは、その俺達の日常の基盤がゆらぐような出来事だったんだぜ。
そして、9年目の同僚がこれで金輪際辞めてってしまうってのは、自分が逆の立場だったならば、こんなに切なくて大きな出来事ってないだろうによ。
そのあたりの認識が甘いあたりが実に頭が悪いと思うのよ。
(欠席した人の中にも、その重大さが分かっている人間もいるにはいた。少数ね)

大事な事だっていう認識があれば、デイリーワークを調整してでも、10分でもいいから参加するってのがオトナってもんだぜ。いい年した大人たちが雁首そろえて、欠席率60%ってのはいかがなものかと思うわけよ。なんで70人に声かけて30人しかこないんだよ。埼玉の投票率より低いじゃないかよ。

だいたいこちとら、一ヶ月前から告知してんだぜ。サルでも分かる、分かりやすい文面でさ。
なんのために職場の近くに会場押さえたと思ってんだよ。また仕事に戻れるためじゃないか。

交替で10分ずつ出るなり、代表者出すなりすればよかったんだよ。
そんなアイディアも無い、アイディアがあったとしても実行できない。
ちっぽけな蟻んコどもめ!

一人一人の状況を考えると難しかったというのは分かる。が、難しかったのをなんとかすんのが誠意ってものだろう。総体としてみたときに、この結果は情けない。
どいつもこいつも、いい年してたった2時間(いやそれ以下でも良かったはずだ)の時間が作れないなんてダサい。

ダサ坊だ。

無能だ。

ちなみに男ってのはどいつもこいつも本当にバカで、仕事より大事なことなんて無いと思っている。本当に大事なことは仕事の中には殆ど含まれていないってのに。
本当に思考回路が閉塞したバカどもだと思う。
そんなヤツラには絶対に<負けない>と思うね。
仕事ほど単純でカンタンなことはない。成果だせば文句は言われない。尺度はたいして複雑ではない。やるべきこととやらないことの差も明確。それすらを調整できないで人生まともに渡ろうと思ってんだから、ちゃんちゃらおかしい。そんなことだから買った瞬間に値崩れするマンション買っちゃったりとか、子供の教育ができなかったりとか、夫婦仲がよくなかったりとか、予防できたにも関わらず成人病になったり、タバコがやめれなかったり、子供に嫌われたりすんだよ。バカめ。

その証拠に、忙しいはずのトモコ先輩はバッチリ参加してくれたぜ。全く同じ条件だけど、調整できる。終わったら速攻会社に帰っていったけど。それが正解じゃないか?

M田のアニキはフル参加したぜ。そらみろ。できるやつはできる。できないダサ坊はできない。
その隔たりは、お前らが思ってるよりもずっと大きいんだぜ。
気づかないだろうけどな。

俺はダサくないヤツとしか組まない。信頼できるっていうのはそういうことだ。
ダサ坊ども、お前達とは一生組まないからな!

・・・とまあ、やっぱりこの送別会に労力を割いてきた身としては不参加者を呪ってしまうわけで、土日の間は会の成功を喜びつつも、不参加者への呪いが発散してて困った。風呂入っていても呪いのせいで湯が沸騰してしまうほどだった(うそです)。

ようやく火曜日になって呪いが消えてきたのでここに書いているというわけ。

いやーー、呪った呪った。

で、週が明けて、幾人かと金曜日について話したり、メールのやり取りをしたりしていたのだけど、やっぱりアレは成功だったのだと強く思う。やってよかった。

すでに気は晴れている。
だらしなかった不参加者について書いたことは全てその通りだと思っているけれど、怒ってはいない。
(幾人かはことを重大に受け止め、きちんとメッセージを寄越してきているし)

本日、M口さんと別件でサシで話したが、M口さんはとても感動したと言ってくれた。
この件はこれで終わり。

4日のライブに向けて神経を集中せねばならない。


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コメント 5

まる

may the force be with you
you are the chosen one
by まる (2005-08-31 02:29) 

つねっち

>まる

ありがとう、オビワン!がんばるよ。
by つねっち (2005-09-01 10:16) 

つねっち

ちなみに、後日談。
ハリーさんはその後、何十年と続けてきたメガネを捨て(捨ててはいないだろうが)コンタクトにしたのだ。サングラスをかけられるようにだ。俺のしたことが間違っていなかった一つのファクターになるかと思う。ちなみにこの送別会については未だに取締役達の間で話題になるらしく、努力の甲斐があって溜飲も下がった。
by つねっち (2005-11-24 20:30) 

クマ

超遅レスですいません。本エントリの全てに感動しますたっ!
by クマ (2006-05-03 10:19) 

つねっち

>クマさん
長々と読んでいただきありがとうございます。もう一年近く前の話なので記憶も薄れていましたが、クマさんがコメントつけてくださったおかげで、また読み返しました。ぶっちゃけ、今、これをやるエネルギーは無いです(笑)
by つねっち (2006-05-06 10:11) 

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