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Kick Return 60kg最強決定トーナメント 観戦記 [格闘技]

うぉー!!!

キックボクシングの一大イベント、「Kick Return」観て来ました。少し酔ってます。

Kick Return」には~Kickboxer of the best 60 tournament~という副題がついていて(英語は微妙ですが)、ようするに60kg級のキックボクサー最強トーナメント の意。

キックボクシングといえば、一般の方は「K-1?」と思うでしょう。世代が上の人なら「沢村忠」ですかね。現在キックボクシンは多くの団体が乱立した状態にあり、そのせいでやや一般的なメディアに乗りにくいキライがあります。

その中でも規模的に抜きん出ている「全日本キック」をベースに、団体の区別なく「60kg最強」を決めようというのが今回のトーナメント。

立ち技格闘技は体重による階級分けをとても重要視しますが、例えばボブサップとかピーターアーツとかチェホンマンとかが出るのはいわゆる「無差別級」、K-1では最近100kg以下の「ヘビー級」も新設されました。

で、おなじみ「魔裟斗」が活躍しているのが、70kg級である「K-1 MAX」なんですね。
立ち技格闘技ってのは、確かに一撃必殺のヘビー級も面白いのですが、それ以上に似た体格の選手達が技とスピードを競いあう中量級・軽量級が面白いのですよ。例えば70kg級のK-1MAXだと、佐藤嘉弘みたいな長身の選手は、リーチでは勝りますがスタミナやパンチ力などが劣る(ハズ)。逆に身長の小さな選手だと、筋力・スタミナは充分ですが、間合いが難しい・・・という感じで、一長一短ですね。身長が175cm前後の魔裟斗選手やブアカーオ選手は70kgでちょうど体格もバランスがとれている。k-1 MAXが「人類最激戦区」と言っているのは、世界的にみて175cmくらい=70kg前後が一番多いから。

ところが我々日本人にしてみると、170cm62-3kgが平均。日本人にとって最激戦なのは「60kg前後」なんですね。そこで催されたのが、この~Kickboxer of the best 60 tournament~なわけです。

幸屋は友人に三上洋一郎という選手がいることもあって、もう10年以上も前からキックボクシングを観戦していますが(その頃は魔裟斗選手も全日本キックボクシングの選手だった)、2003年に歴史的なトーナメントがありました。それが「全日本ライト級最強トーナメント」。

K-1 MAXでも活躍している ツグト・アマラ(当時は「白鳥忍」)や、後にK-1 MAX日本トーナメントでも活躍した山本優弥、ムエタイの世界チャンピオンでカリスマだった小林聡などが参戦して、後楽園ホールを熱狂の渦に巻き込んだキック界のウッドストック。そのトーナメントで優勝したのが、現WPKC世界チャンピオンの「大月晴明」だったのです。
この大月晴明の身長:165cmが最も生かされるのが、この60kg級。これは2003年の再来か?と思いつつも、大月は一時期強すぎてモチベーションが下がり、以降やや調子も下降気味とまことしやかな噂。トーナメント参加選手達は皆実力がピークに来ているチャンピオンばかり。はてさてどうなることやら・・・

6時過ぎに会場に着くと、いきなり魔裟斗はうろうろしてるし、祭りの雰囲気充分。後楽園ホールはもちろん超満員。

1-4試合までは通常のキックボクシング興行。岩切博史vs上松大輔など、なかなかの好カードがあって、会場があたたまっていく。
ここで(トーナメントは置いておいて)メインイベントである日本バンタム級タイトルマッチ、:藤原あらしvs寺戸伸近

藤原あらしは友達である三上洋一郎のジムの後輩で、乗りに乗っている日本チャンプ。デビュー戦から観ているけど、本当にどんどん強くなっていき、今では横綱相撲。無駄な手数を打たず、一発一発を重く入れて相手の戦意を無意識下で殺いでいく。見事なKO勝利で防衛。ちなみに、このときまで僕の隣の隣には魔裟斗選手が座ってました。

20時ジャスト。ここからがトーナメント。

第一試合:大宮司進vs山本真弘

魔裟斗の後輩・大宮司が来るかな~と思っていたら相手は絶好調の山本。スピード、当て勘が冴えまくり、大宮司を圧倒。山本がなんと3ダウン奪ってKO勝利。相当調子良かったな~・・・これは決勝まで行くかも。

第二試合:石川直生vs村浜武洋

黎明期のK-1 MAXなど、アチコチで活躍していた村浜が電撃参戦。対するは現役ノリノリの全日本Sフェザー王者・ナオキック。両者の身長差は13cm。老練な村浜が長身のナオキックにどう攻めるのか!?が注目された。序盤、攻め手を欠く村浜だけど、中盤からちょこちょこいい攻撃をクリーンヒットさせていく。ナオキックの額が切れて激しく流血。最終ラウンド、ペースが衰えない村浜に対し、ナオキックは攻めあぐね+ダメージの蓄積で徐々に押されていく。あわや村浜か?と思われた時にゴング。1,2Rで順当に攻めたナオキックが判定勝ちなれど、「勝負」は村浜が勝っていた・・・と誰もが思った試合だった。
村浜の一貫したペースには、おそらく多くの観客が心を動かされたと思う。経験豊富で辛酸なめつくし、その上で体格的不利を嘆くことなくひたすら前に出る。この姿勢は本当に感動的だった。村浜お見事。

第三試合:前田尚紀vs梶原龍児

この試合がこんなに・・・格闘史に残る試合になるとは・・・予想していなかった。

梶原の試合は見たことが無かったのだが、ボクシングが強いチャンピオンとのこと。チームドラゴンだし、これは強いに違いない。対するは、先般小林聡の引退試合を飾った「戦う修行僧」前田尚紀。前田の試合はもう5、6度目だが、どんどん強くなっている気がしていた。一応全日本キックのファンとしては前田を応援してみたいわけだ。
梶原は「当て勘」が良くてボクシングスタイルはさすがのもの。梶原にまともに殴り合いはどうなの~と思っていたら、前田はパンチ(ラッシュ)+ローキックちょっと、というかなり勇敢なスタイルで立ち向かっていく。しかし前田はパンチでのラッシュが全日本の中でも飛びぬけていると思う。
序盤から攻撃的な試合になり、2Rでは両者が交互にダウン。会場は絶叫が飛び交う。その後も互いに素晴らしい攻撃を繰り出し、クリーンヒットが山積みされていくが、同時にスタミナも切れていく。
ここで、前田がちょこちょこ打っていた右ローが効いてくる。梶原の左足が鈍り、それによりパンチも本来の切れ味が失われていく。
それでも互いに目を覆わんばかりの打ち合い。前田のマウスピースが飛び、あわやゴングに救われたかと思うと、最終ラウンドで結果として倒れたのは梶原だった。
梶原はローで左足が殆ど動かず、しばらく横たわっていたが、肩を借りながらようやくリングを降りた。

ある意味、この試合は近年K-1でも比較的強いと言われているボクサースタイルと、ローキックを織り交ぜるキックボクシングスタイルとの極度に高度なぶつかり合いだったのだろうと思う。

異常・・・以外のなにものでもない根性と技術がぶつかり合ったあまりにも凄まじい試合に、会場は最高潮にヒートアップ。絶叫とも言える完成が会場を包み、両選手にはスタンディングオベーションの嵐が降り注いだ。

これは本当に価値ある一試合だった。

第四試合:大月晴明vsカノンスック・ウィラサクレック

「この試合の勝者が一番強い」と言ってもまずまず過言ではないカード。しかし大月は前回増田に攻めてを欠き、初めて日本人に判定負け。しかも相手は苦手なタイ人である。
序盤はいつも通りで、互いに多少のクリーンヒットを許すも、ところどころで大月がラッシュをかけていく。カノンスックも悪くない攻めを見せたが、大月に深刻なダメージは与えられない。
そうこうしているうちに大月が攻め疲れてくる。日本人相手なら何度もダウンを奪えているようなラッシュが今ひとつ効いていない感じ。「爆腕」としては面目が立たないか。
何度かラッシュをかけ、ついに最終ラウンド。ここでダメージがたまってきたカノンスックにやや強引なラッシュ。二度のダウンを奪い、豪腕としての面目躍如した。
しかし、ファンタジスタ大月はこの試合に大して叫ぶほどの不満をもったようだ。最後には観客に対して四方に土下座。煮え切らない試合でスミマセン、の意だろうと解釈した。

たしかに最盛期の大月の当て勘ならば、3Rあたりのラッシュで根こそぎ倒していただろう。そういう意味で、大月は自分に課せられたヒーロー像を崩したと感じたのかもしれない。
今日の大月は相手がタイ人ということもあってか、パンチの軌道が萎縮していたように見えた。かつてはもっと「グラブが相手の顔に吸い込まれるように」クリーンヒットしていたが、伸びきっていないフックなどが目についた。強くなりすぎた大月は、おそらくその才能と戦っているのだろうと思う。準決勝では前田相手に、のびのびとその豪腕をふるってもらいたいと心から願っている。
幸屋にとって、大月はファンタジスタなのだ。

さて大ニュース。

今日のトーナメントの続きは10月25日なんだけど、その日、なんと前述の「山本優弥」vsテコンドーからK-1MAXに行って現在はチームドラゴンに所属するイケメン「尾崎圭司」が対決するそうな。

※写真は、リングで挨拶をした後握手を交わす両選手。爽やかだが闘志はメラメラだ。

双方とも幸屋が好きな選手で、どちらを応援したらいいのか分からないくらい。

これは楽しみだ・・・


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亀田興毅をとりまく、薄汚いもの。 [格闘技]

久々に呪い系でーす。

亀田興毅の世界戦について諸々論争が行われているけれども、幼稚なものが多くて腹が立つ。
というわけで、mixi上などでのやりとりを引用しながら自説を展開する。

前提として、僕は昨日の試合を楽しく観戦したが、最終的にホームタウンデシジョンで判定勝ちしたことについて、あまり気分良く思っていない。
しかしながら、その気分の悪さは興毅自身のファイトによるものではない。

まず、mixi上で下記のようなタイトルのコミュがあった。

>トピのタイトル「恥知らず」
>「誰がどうみても八百長です。」これから毎朝鏡みて平気なんでしょうか、この人

むう・・・この想像力もボキャブラリーも人生経験も貧困そうな2ちゃんねるふうのトピ名!
mixiは基本的に実名CGMなので、ちょっとは考えたらいいのにと思う。
毎朝mixi見て平気なんだろうか、このヒト。

ま、そのトピに僕が書いたのが下記。
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まあ、ホームタウンデシジョンというのはボクシングの、というか格闘技の名物みたいなものです。
例えばこの間のK-1ソウル大会のチェホンマン対セームシュルトもそうでした。いや、アレよりは今日の方がだいぶマシでした。

ちなみに判定というのは1Rごとにつけます。
12Rもあると、例えば1Rで8:10でも、2~9Rまでに5対3で亀田に10:9をつけたらイーブンです。実際、中盤はイーブンか亀田優勢と考えられるラウンドが多かった。実際、亀田有利と捉えたラウンドは2つくらいあったでしょう?他が10:10だったらそれでイーブンです。
とすると、ホームタウンの贔屓目が多少なりともあれば、最終的に1ポイントリードという判定は充分ありうる。
全体の印象と判定はあまり関係ないちゅうことですな・・・。

とはいえ、亀田本人が「勝った」とは思っていないでしょう。最後の判定を聞いている表情からもそれが伺えます。
次戦、防衛線でのKO勝ちに期待しましょう。

ちなみに、八百長とジャッジが甘いのとは全然違うことですので、格闘技を語る際には気をつけた方がいいと思いますよ。
「ベネズエラのランダエタが金をもらってわざと負けた」のは八百長ですが、「ジャッジが不公平に日本びいきであった」というのは八百長ではありません。
ランダエタがわざと負ける気でやっていたように見えましたか?僕にはそうは見えませんでした。

ちなみに・・・
僕は亀田選手が努力してきたことをむげに非難する気にはなれませんので、ちょっと違う視点で書きますと。
アンフェアなジャッジというのは選手ではなくて、メディア的、興業的な都合によって周りが起こすものです。それは、選手自身の努力とは関係のないところで勝手に起こるもの。
亀田自身を「恥知らず」というのは少しポイントがずれていると思います。彼は恥どころか、立派にやっていると思いませんか?あれだけ必死に練習して、年齢の割りには技術が熟達している選手はなかなかいませんよ。
(パパについてはどうだか知りませんが・・・)

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これに対してはとくに反対意見はなかったようだが、
その後、上記に対する反駁と捉えて差し支えない書き込みが一つ。

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問題なのは、本当にジャッジ買収劇があったかどうかではなく素人目から見ても、明らかにランダエタ選手が優勢であったという事実だと思います。

今回はラウンドマスト方式という採点方法だったそうですが、2時間半のTV中継の間、ラウンドマスト方式に対する説明は一切されていませんでした。
普段、ボクシングに全く興味のない方が、あの試合を見て八百長だと騒がれても仕方が無い事だと思います。現に専門家や元世界チャンピオンの方からも誤審ではないかといった趣旨の発言も多数出ています。

言うまでも無く、亀田選手の試合の場合は他の選手の試合に比べて注目度が高い事はTV局やマスコミ等も重々理解していたはずです。
というよりも、それをマスコミサイドが煽っていた節があります。
普段ボクシングに全く興味のない方が視聴する事は当然予測出来る範囲内というよりむしろ必然にも係わらず、そういった説明が一切なされていない事がすでに問題です。

別に格闘技を語る気など毛頭ありませんし、不審なジャッジと亀田選手を=にし、亀田選手を非難する気も毛頭ございませんが、八百長試合だと騒いでおられる方を非難する気にもなれません。あの結果では、非難されるのも当然でしょう。
負けていれば、逆に「よくやった」という歓声が日本中で起こっていたと思いますが。

2時間半という長い中継の中で、試合説明そっちのけで亀田選手の生い立ち等に重点を置いたTV局の体質に問題があったのではないでしょうか。

ちなみに、日本人はどんな試合内容であれ、勝てば官軍と言った考え方は持ち合わせていません。 大衆すら納得させられない試合内容での勝利は多くの方が異議をもたれるのも仕方の無い事だと思います。

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この書き込みは、うん、気持ちはわかる、という類の書き込みであった。
※断っておくが、この書き込みは他の多くの書き込みに比べて圧倒的にまともで真面目であった。なので引用している。

とくにこのヒトが言いたいのはようするに、ボクシングを一般のヒトに無理やり広めようとしている番組だったにも関わらず、一般ピープルである我々に不愉快な思いをさせるとは何事だ、ということなんだな。
それは正しいと思う。
ただ、その気持ちが先行しすぎて全体の半分くらい的はずれになっている。
そこで下記のように是正。

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*** さんの良いご意見があったのでちょっと膨らませます。

>明らかにランダエタ選手が優勢であった

この点については、恐らく全ての人々がそう思っているでしょう。

>今回はラウンドマスト方式という採点方法だったそうですが、2時間半のTV中継の間、ラウンドマスト方式にする説明は一切されていませんでした。

これは、そんなにおかしなことではないと思います。
ボクシングではよくとられる採点方式で、例えばサッカーでサドンデスやPK、オフサイドについて説明をしないのとまあ同じです。
ただし、した方が良かったとは思います。

>普段、ボクシングに全く興味のない方が、あの試合を見て八百長だと騒がれても仕方が無い事だと思います。

この点、おっしゃることは現実的にはわかるのですが、わざわざ異論を書いたのには理由があります。
「八百長」という言葉は、しつこいですが「金で勝負をゆずること」です。その言葉は、勝負をしている当人達に対していささかショッキングすぎる言葉使いです。
「亀田の試合」という、周りの思惑によって大きく膨れ上がってしまったイベントに対して大きなバイアスがかかってしまった、ということと、「亀田は八百長で勝った」という口調は、本質的に大きな差があります。
言葉上、真面目にやっている亀田選手本人に対して、例えば殺人鬼とか強姦魔とか言うのに匹敵しうる侮辱です。
一番努力している選手に対してそういった思いやりを持たずに、「八百長だ八百長だ」と叫ぶことに意味があるとは思えません。
「八百長」という言葉は、当然ですが、優勢だったランダエタに対しても侮辱となります。
(昔、北尾が「プロレスは八百長だ」と言って追放されましたよね。)

的確に「ジャッジがおかしい」と表現するにとどめるべきで、無責任に「亀田選手が八百長選手である」と捉える発言は格闘技を真面目にやっている人間に対して失礼だと考えます。

そういう意味では、
正直、「普段、ボクシングに全く興味のない方」が、「しろうとなんだから、どんな言葉使ってもいいじゃないか」というのは良いこととは思えません。
ボクシングだけではなく、何がしか、他人のスタンスを理解してから発言するヒトであれば、言葉を選ぶでしょう?

>現に専門家や元世界チャンピオンの方からも誤審ではないかといった趣旨の発言も多数出ています。

誤審、ホームタウンジャッジ、贔屓目ジャッジ、不可解判定、全てそうだと思いますが、あくまでそれは「ジャッジ」が主語です。元チャンプたちは誰も亀田選手自体を非難していませんよね?

>亀田選手の試合の場合は他の選手の試合に比べて注目度が高い事はTV局やマスコミ等も
重々理解していたはずです。 というよりも、それをマスコミサイドが煽っていた節があります。

まったくその通りと思います。

>普段ボクシングに全く興味のない方が視聴する事は当然予測出来る範囲内というよりむしろ必然にも係わらず、 そういった説明が一切なされていない事がすでに問題です。

これは、問題というより、興行的な手落ちかと思うのです。
正直なところ、亀田の興行に関する演出は、規模が大きくなるにつれどんどんヘタになってきています。
これはどこに、誰に原因があるのかよく分かりません。個人的な推測では、テレビ側と亀田パパとのやりとりがよくないのではと思われます。興行のド素人であるパパの発言権が強すぎるのでは。
つまり、おっしゃるとおり、最大の問題は、あの試合を見て、<皆がなんとなく不愉快な気持ちになった>ということですよね。この責任は、プロモーターサイドにあるということは間違いないでしょう。
演出と根回しとシナリオがヘタクソだったんです。

>負けていれば、逆に「よくやった」という歓声が
>日本中で起こっていたと思いますが。

おっしゃるとおりと思います。
例えばジャッジが2対1でランダエタだったら、どうだったのか?
特に、亀田選手本人は、どうコメントしたのか?
「いや、ホンマすまんな。ぶさいくに負けてもうたわ。だけど次は絶対負けへん、今度こそオヤジのボクシングが世界一やちゅうことを証明するんや!(想像)」

・・・うーん、感動的。
それを考えると、まさしく、「亀田は負けるべきだった」と強く思います(笑)。

しかしながら、しつこいですが、この事態は亀田のせいではありません。

>2時間半という長い中継の中で、試合説明そっちのけで亀田選手の生い立ち等に重点を置いた
TV局の体質に問題があったのではないでしょうか。

これは恐縮ですが、別の理由がからみます。
当日行われたのは亀田の試合だけではありません。その前に、セミファイナルまで何試合もあるわけです。
で、ファイナルの試合を「生中継」をするためには、それら全ての試合が1RKOだったら何時に始まるのか、ということを考えて枠を押さえているのです。
ボクシングの試合は、ファイナルほど、「何時に始まるか分からない」のです。
そのためにわざわざ生い立ちのVTRを用意しておいたわけです。
これは、VTR放送だけのK1とかとは違うケースですので許してあげてください。

>ちなみに、日本人はどんな試合内容であれ、勝てば官軍と言った考え方は持ち合わせていません。

素晴らしいことです。同感です。そう思います。(そうでない人もいますが)
前述のとおり、亀田が判定負けをした時に味わえたであろう爽やかな感動のことを考えると、かえすがえすも惜しいですね。

また、本当に思うのは、こんな周りのお粗末な演出に騙されずに、ボクサーとしての亀田の良さを見てあげて欲しいということです。
ボクシングは本当に面白いです。後楽園ホールに4回戦から観にいってみたら、きっとあまりの面白さにビックリすることと思います。

せっかくボクシングシーンが底上げされるチャンスを、ヘタクソなプロモーターが潰してしまうのは本当に惜しい。

亀田はいい選手です。それだけは忘れずに、次につなげてあげたいと思うばかりです。
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論旨としては、たしかにお粗末な興行であったが、それは選手自身のせいではなくて周りのオトナ達のせいであろうこと、
それをごっちゃにして口汚く罵倒するのはやめた方がいいということ。

ちなみに、トウが立つので書かなかったのだけれども、

>別に格闘技を語る気など毛頭ありませんし、 ・・・

のくだりは、おいおい、じゃあ今なんの話をしてるんだよ!?と中学生なみの突っ込みを入れたくなりましたグッと我慢。
「格闘技を語る際には」と僕が書いたことに対する反発なんだけど、「仮にも格闘技を語るなら」とか挑戦的なことを書いているわけでもないのにこのトガリかたはおかしいよね。ま、細かいことですが。

さて、亀田の試合に関する感想は上で述べているとおりなのだけど、こういう出来事があって、ネット上で色々意見を読んで思うことってのはいつも一緒。
(上の書き込みのことではないよ。それ以外の有象無象のひどく幼稚な一言書き込みの類だ)

どいつもこいつも、自分の目線でしかものを考えないということ。

話をしている相手や、話題にしているヒト、その関係者などに全く思いを馳せることができないという、圧倒的想像力の欠如
そして、その話をしながらも、相手や他人のことを考えてみる責任が無いとすら思っているふしがある。

さらに。
相手がどんな苦労をしているかとか、どんなドラマやいきさつがあったかなど全く度外視して、ただ自分の欲求の満足だけを観点にものを考えるヤツがあまりにも!あまりにも!あまりにも多い。
なんたる身勝手。一億総2ちゃんねる。
そしてそれがおかしいことだと認識しているヒトが少なすぎる。

俺はこの手の、「自分の欲求原理」的な思考メカニズム自体に反吐が出るよ。
いつからニンゲンはそれでよいことになったんだよ?

それに比べて我が友・まるの日記は
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10ポイントマストシステムとは優勢のほうを10とするという制度であり、全く対等の場合は10対10がありえる

で、採点表が出てた。
金光洙(二人目のジャッジ)
1R:8対10
2R:10対9
3R:10対10
4R:10対9
5R:10対9
6R:10対9
7R:9対10
8R:10対9
9R:9対10
10R:10対9
11R:9対10
12R:10対9
計:115対113
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物事の本質を見てみようというこの知的アプローチ。すばらしい(笑)

その後、渡嘉敷さんが擁護の文章を発表しているが、これはまあ反発が強かったことに対する反作用だろうが、上記のまるの日記と照らし合わせてみて欲しい。

http://sports.yahoo.co.jp/extra/kamedakoki_2006/b_01.html

これで「八百長だ八百長だ」と口汚くわめき散らすことが、いかにEQ&IQ、品性下劣であるか分かるというものだ。

ホント、言いたくはないが、なんにしても一番醜いのは一般大衆。
物語の主役からも、努力や勤勉からも、知性や品性からも程遠いその薄汚い存在。

もっとも怠けているヤツが最も欲深い。


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K-1World MAXが面白いネ [格闘技]

2,3年程昔のこと。キックボクシングライト級に物凄く強い選手が集中していた時期があった。
ムエタイの世界チャンピオンタイトルを幾つもとって来た小林聡、スーパー高校生・山本雄弥、魔裟斗のスパーリングパートナーも務めるISKAのチャンプ・大宮司進、来日してから全勝をキープしていた花戸忍(改名:白鳥忍)、同じく全勝でKO率が90%近くあった驚異の豪腕・大月晴明・・・などなど。
中軽量の天才ファイターが一同に会する、ちょっともうなかなか実現できないだろうなという興行があった。それが「全日本ライト級最強トーナメント」。あのトーナメントは本当に面白かったなあ・・・。

さてそのトーナメント一回戦で、カリスマであった小林聡をいきなりKO撃破したのが、韓国のファイター・イムチビン(任治彬)だった。
小林はなんだかんだで大本命と言われていたので、それをいきなり一回戦で下した不気味な韓国ファイターは、観客の脳裏に焼きついたのだった。しかし、とても美しいKOだったので、イムチビンという選手の強さを観客は素直に賞賛したのだった。

それから3年。K-1MAXの日本予選に、あのスーパー高校生・山本雄弥が出るというので興奮したのは2月前のことだが、4月1日にやっていた開催直前スペシャルを見ていたら、なんと、花戸忍(SHINOBU)は昨年の王者アンディー・サワーと、そしてイムチビンは小比類巻とそれぞれ一回戦をやることになっているじゃないか。
実は個人的に、イムチビンのファイトスタイルはとても気に入った記憶がある。戦績こそノンタイトルだし地味なのだけど、とても正しい、ストイックなファイトスタイルだった気がする。対する小比類巻は個人的にとくに好きではないので、なんと日本人の癖に韓国選手を応援してしまいそうだ。
直前スペシャルを見て一目で気に入ったのが、初代王者のアルバートクラウスと対戦する、アリ・グンヤー格闘ゲームのキャラみたいな回し蹴りのコンビネーションはたいへん美しい!

しかし今度のK-1World MAXは、中軽量好きな僕には本当にツボに来るすばらしい大会だと思う。

そんな大会、強いて”優勝して欲しい”選手を挙げろと言われれば・・・
思わずプアカーオと答えてしまうな、うん。(念のため、僕の性的嗜好はストレートなのだが、)プアカーオの背中の筋肉には心から憧れる。炭火で焼いたら旨そうだ。いや実際にはすごく堅くて不味いのだろうが。

あの筋肉とキックは、世界チャンプにふさわしいよ。

とはいえ、残念なことに4月5日は予定が入っていて、リアルタイムに見られないのだ。
翌日に見るから、誰も試合結果をメールしてきたりしないでね!


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K-1 MAX 山本優弥:脱臼しちゃったね。 [格闘技]

土曜日に放送されていた、「K-1 MAX」日本予選について振り返る。

山本優弥(全日本キックから参戦した若干21歳のファイター)ですが、一回戦の試合中に右肩を脱臼してしまい、TKO。「やれるよ!やろう!!」と叫ぶ雄弥。いいシーンだった。
勝ち上がったTATSUJIはその後決勝まで勝ち上がり、なかなかの強さを見せた。この選手は有名になると思う。やっぱり<豪腕系>は強いよね。アマチュアボクシングからいきなりK-1 ルールってのもスゴイと思う。「飛び級」だよね(笑)。天才なんだな。
雄弥は随分番組制作側でもフィーチャーしてくれていて良かった。是非、千代の富士のごとく肩を鍛えてまた出てきて欲しい。
しかし優勝した佐藤、地味だなぁ~。だいたい背が高すぎるよね(笑)。それでもあれだけ強いんだからやっぱり大切なのはローキックだなあと。この人、もうちょっとウェイトつけたらヘビー級にもいけるのではとちょっと思う。地味だけど。

なんにせよ、格闘技はヘビー級よりも中軽量級の方が面白いと思っている僕にとって、K-1 MAXってのはなかなかそそられる良い大会だ。


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僕らのグラップラー「山本優弥」が [格闘技]

全日本キックボクシングで、かつてスーパー高校生として強烈な存在感を示していた山本優弥
スーパーチャンピオン大月や白鳥(当時は花戸)忍、野良犬・小林聡などがしのぎを削った「ライト級最強トーナメント」に高校生で出場したツワモノである。ヤン、hansen、フジイらと共に「あいつこそグラップラー刃牙だ!」と熱狂した選手。その後階級をウェルターに上げ、順調に勝利をおさめていった。

で、昨夜テレビをぼんやり眺めていたら驚いた。

その山本優弥が、なんとK-1 WorldMax2006 に出るってヨ!!!
http://www.so-net.ne.jp/feg/event/060204card.html
でももう21歳なのね・・・。スーパー高校生ももう3年も前の話。実力派のキックボクサーとしてまさに花開かんとしているわけですわ。これは応援しないとならん。

というわけで、「僕らのグラップラー」山本優弥を応援しよう!

※そういえば、新田明臣って元SVGだよね?


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迫真!「これが『カラテ』ってやつさ。」 [格闘技]

昨晩、オーストラリアに留学中のヤン

からメールが来た。
迫真のドキュメントなので転載します。
一部つねっちが勝手に補足しています。

※一応書いておくと、ヤンとは、 <3月に結婚したばかりで><ハンサム><東大卒の超インテリ>だが<基本的にかなりのアホ>で<女グセが悪い><空手家>兼<ドラマー>である。数行では説明しきれない無類の変わり者である。そしてまあ我々友人の中でも最も面白い男であることは間違いない。

=以下メール=

オス。

昨晩、初めてキックボクシングのルールで試合したよ。
地元ゴールドコーストで開催される「Fight Of The Bouncers」って興行で、基本的にはナイトクラブのバウンサー(用心棒)同士がキックルールで戦って強さを競う、って趣旨のイベントだったんだけど丁度70kg級に欠場者が出たのでリザーバー(補欠要員)として急遽リングに上がることになったんだ。

相手はキックボクシングをやってるらしくてちょっとばかしでかいけどまあほぼ自分と同じサイズ。

初体験のキックルールだったけどグローブが12オンスと大きめだったので、まず「パンチで一撃KO」みたいなことは無いな、と思ってた。
ということは素足で打てる蹴りの方が有効な設定な訳で、その点では蹴り技の稽古量の比重が大きい空手家の自分が有利だろうな、と思っていた。
パンチは野生の感で振り回していてもそれなりの威力があるけど、蹴りの技術はもっと繊細な体軸のコントロールが必要だからずさんなオーストラリア人には向かないからね。

セコンドにはブラジル人のキックボクサーとボスニアからやって来た頭のいかれた柔術家(元軍人で平気で人の関節を折るタイプ)が付いてくれたんだけど肝心の中国系の空手の師範はイベントの仕切りが忙しくて俺にはノーケアー。
「投げ飛ばして関節を折れ!」とか無茶苦茶言ってる柔術家のアドバイスは軽くスルーしてブラジル人の判りづらい英語に集中する。

「Keep your hands up! And go for the kicks.」
(手を下げないで蹴っていけ!)

やっぱり未熟な顔面パンチで勝負するよりは蹴りで攻めたほうが良いのか。

ゴングが鳴って1R開始。
そうは言ってもカウンターのパンチが怖いのでいきなり蹴りから入るのは難しい。

とりあえずジャブをうつと相手も負けじと打ち返してくる。負けじとこっちもパンチを振り回すがいやになるほどこれが当たらない。

(嗚呼…! こんなに当たらないもんなんだ…)

と思っていると、相手のパンチが自分のこめかみにヒット。続けざまにフックを2,3発叩き込まれた。
幸い12オンスのグローブのおかげで致命的なダメージにはならない。打ち返そうと思って構え直すと素早くバックステップされてもうパンチの間合いにはいない。相当力が入って大振りしているので相手はこちらのパンチに意識が行っているようだ。そこでまたフックを振り回して相手を追いかけるとガードを固めて後退する。
パンチの間合いから外れたところで一瞬相手の気が緩むのが判ったので半歩踏み込んで左中断回し蹴りをレバーに蹴りこんだ。ポイントは外されたが蹴り応えは十分。すかさずパンチを打ち返そうとする相手を前蹴りで突き放してガードを固める。

1Rはこんな感じでパンチの打ち合いになるとこちらが多く貰ってしまうけれど、離れ際に左のミドルキックを出して行く。相手が左のミドルを嫌がってこちらの右に逃げる右ローで攻めるという展開にしていった。
途中ミドルキックが効いてきたのが判ったので左のハイキックを打つとこれがヒットした。

他の試合が肉食獣同士の殴り合いみたいのが多かったので、俺としては負けても良いからとりあえず「華麗な技」を見せたいと思っていた。だからこのハイキックで会場が湧いたのは嬉しかった。

ゴングがなってインターバル。思ったほどスタミナは消費してないがマウスピースを吐き出して水を
飲みセコンドのアドバイスに耳を傾ける。

「Kill em! Smash him!」
(殺せ!叩き潰せ!)
と相変わらずエキサイトして物騒なことを言ってる柔術家の助言はまたもスルーして
「Very good! Go for the low kick, and always protect your head!」
(いいよいいよ。ローキックで攻めろ、そして頭を絶対に守れ)
というブラジル人の助言に集中。

2R、序盤から激しい打ち合いになるが次第にこちらの蹴りが効き始めたのが判る。
打ち合いに出ると結構パンチを貰うがなんとか耐えれる範囲だ。右ローが効き始めて相手の足が止まってくるとパンチもあたるようになる。相手のガードが上がったところに左ミドルを一発。続けてもう一発。効いた!これは絶対効いた!と思って前に出るとカウンターでパンチを貰ってしまったが、お構い無しにパンチをぶん回す。
3発殴られて1発返す位の割合だが相手が相当頭を下げているのに気が付いたので首相撲から腹に膝蹴りをぶち込む。
ブレークが掛かった後にもう一回左のハイがヒットして2R終了。パンチの打ち合いでは終始劣勢に回ってしまったが相手は絶対にレバーが効き始めている。次のラウンドで倒せる筈だ…と思っていると敵コーナーからタオル投入。TKO勝利となった。

あれっもう止めるの?という感じだったがとにかく勝ったことは嬉しい。
試合後、小さな男の子を連れたおじさんが、

「Great fight! What style are you traing?」
(いい試合だ!君はどの流派を修練しているんだい?)

と聞いて来た。

男の子と握手をしながら微笑むと僕は答えた。

"That is the KARATE."
(これが「カラテ」ってやつさ)


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1999年のK.O. [格闘技]

突然思い出した。

何年も前、後楽園ホールでショッキングな試合を見た。
赤コーナーからリングに飛び出していったのは若くて有望だったボクサー、彼は名前を「家康」と言った。応援団が「イエヤス!イエヤス!」とかけ声をかけていた。

彼は当時、たしか8戦全勝か何か、華々しい戦績の持ち主で、いわゆる新進気鋭のスター選手だった。見た目もちょっとかわいくて、女性ファンも多かった。
ただ、ファイトスタイルはやや雑、結構パンチをもらってしまうタイプに見えた。
僕はディフェンスがウマイ選手が好きで、逆に彼のように「タフ」な選手はあまり好きではないのだ。
だから僕は試合開始しばらくしてから、8ラウンドであの劇的なシーンを見るまで、終始対戦者の「橋口」という選手を応援していた。
橋口はロートルのいわゆる「かませ犬」に見えた。ちょっと頭が薄くなっていたし(すみません)、戦績も勝ち・負けがほぼ五分五分。見た目ではイエヤス選手の圧勝だったのだが、この選手、ベテランだけあって非常にいいボクシングをする。冷静だし、軽量級の醍醐味である、ディフェンスとパンチのバランスが非常に良い。「一発の重み」はそんなにないが、的確でキレのいいパンチを当てていく。年齢的にも30歳に近かったのに、気力が充実していたのかスタミナ切れで鈍るということもなかった。

試合はポイント的には橋口有利で続いた。これはボクシングの道理だ。しかしながら、イエヤスは当てられても当てられても効いた素振りが無い。ものすごくタフなのだろうか。6ラウンドくらいから少し不安にはなっていた。むしろ、さっさと倒れてくれた方が安心だ。倒れてくれ、イエヤス。橋口、早く倒せ。

そう思い続けていた僕は、イエヤスの応援団の黄色い声援に負けじと声を張り上げていた。気がつけば立ち上がって「ボディ空いてる!」「左当てて行け!」などと叫んでいた。

そして、最終の8ラウンドが来た。ラウンド中盤、橋口のパンチ(右フックだったと思う)がイエヤスの顎に当たった。そして、イエヤスはそれまでピンピンしていたのに、何かの線が切れたかのように、前に向かって白目をむいて倒れこんだ。凄絶なKOだった。後楽園ホールは沸きに沸いたが、イエヤス応援団は悲痛な表情で沈黙した。僕は長かったこの試合が「ありうべきカタチ」で幕切れたことに興奮していた。そうだこの試合は、ずっとこうなるべくして進んでいた。これは必然だった。イエヤスは、すぐに担架で運ばれて出て行ってしまった。
素晴らしい勝利をおさめた橋口は感無量である旨をリングで述べた後、「絶叫的に」応援していた僕と僕のとなりの兄さんに向かって深々と頭を下げて、
「ありがとうございました!」
と一言叫んで帰っていった。

...
以上が、僕のボクシング観戦経験の中でベストバウトの一つに数えられた「イエヤスvs橋口」戦だった。そしてその後、僕はキックボクシングばかり見るようになり、ボクシングの情報から遠ざかっていった。

2005年、後楽園ホールに久しぶりに 日本フェザー級タイトルマッチ、榎vs金井を観にいった。この試合内容がちょっとだけイエヤスvs橋口に似ていたためか、急にあの試合のことを思い出し、
「そういえばイエヤスはどうしているだろう」と、Googleで検索してみた。

すると、

「矢代選手,依然予断を許さぬ状況」
「日本ミニマム級6位の矢代家康選手(日東)が、 最終ラウンドにKO
負けした直後、意識不明となった。 ただちに東京・港区 ... 」

などと不穏な文章が幾つか出てきたのだった。

彼は、あの試合で昏睡状態に陥り、「急性硬膜下血腫と脳腫脹」と診断され、その後40日に及ぶ低体温療法で回復した、とのことだった。
僕は驚愕した。あの倒れ方はヤバイとは思った。それよりも、あのパンチをもらってももらっても倒れないという彼の「頑張り」が観客に恐怖心を与えた。これはこういう結果を導いてもおかしくはない、まさに地獄へのハイウェイだったはずだった。命が助かったとあって少しはほっとしたものの、僕の心にはあの試合が生んだ結果のリアリティはなお重くのしかかった。
絶叫して応援していたのは彼に再起不能になって欲しかったからではない。彼に再起不能に「なってほしくなかった」からだったのに。

2ちゃんねるではこんなカキコミがあった。

61 :名無しさん名無しさん@腹打て腹。 :03/09/25 01:39
このまえ地元のパチンコ屋に引退した矢代家康がパチスロうってた。
あいつって脳内出血でリタイヤしたんだけど
1日中打ってて1回も笑ってなかった。常連仲間と話していても・・・。
後遺症かなりあった。 こいつには勝てるっていえないけど
弟にはがんばってほしいね。


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