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読書の意味。 [読書・書評]

以前、漫画評論でブイブイならしていた頃(笑)、「フィクションを読むことにどのくらいの意義があるのか」という問いをうけたことがある。実用書や学習参考書みたいなものは意味があるけど、小説や漫画に意味があるのか、という質問だった。
人間は、自分が生活している範囲でしかものを考えない。だから、多くの人はソマリアで何が起きているか想像できないし、なぜパレスチナとイスラエルがいつも戦っているかもわからない。自分以外の人間の考え方がわからない。自分が知らないことを知っている人、自分が知っていることを知らない人の考えがわからない。
フィクションはそれを解決する、もしくは手助けするために最も有効なものだ。女流作家の本を男性が読むだけで、それはもうものすごいカルチャーショックを受ける。自分とは全く違った考え方を目にすることができる。
だから、コミュニケーションがうまい人は本をよく読む人である場合が多い。感受性や共感力。フィクションにはそれを育てる力がある。タモリやたけしなど、息の長い知的タレントはとにかく読書量が半端でないそうな。だから誰と会ってもいきなり会話が成立するんだな。
古田選手会長が読書傾向をカミングアウトしている。やっぱり読書家なんだな。自分の考え方以外認められない人が、多くの人を代表することはできないからね。
今回持っていた本は福井晴敏に浅田次郎。正統派のミステリとハードボイルド。ある意味、<意外に普通>ですごく安心した。浅田次郎「オーマイガァッ!」は彼の他のギトギトした作品と一線を画してなかなか面白かったですわね…。

悲しい時
悲しい時(悲しい時)

 

薦めた本が2ページしか読まれなかった時。。

 

説明します。
去年のシーズン終了間際の最後の遠征のときでした。駅にちょっと早く着い
たので本屋に立ち寄りました。
すると、とある若手投手がひとりで新刊コーナーで探し物。
「どうしたの?」と声をかけると
「やっぱり、そろそろ週刊誌とか漫画だけでなくこういう本を読まないといけない
と思うんですよね」と

――おっ・・なかなかいい心がけじゃないか――

と思っていると
「古田さん、なんかお薦めの小説って無いですか?」と言ってきた。
よし来た!時間もあまり無かったので目の前にあるベストセラーコーナーから
その時にちょうどいいと思った1冊をチョイス。

奥田英朗著 空中ブランコ 

御存知の方も多いとは思いますが、主人公伊良部一郎という精神科医の元に
いろんな患者が訪れ、様々な非常識な方法で治療していくという短編小説集。
主人公が「伊良部」に「一郎」ですからかなり野球とも関係がありますし、実際に
内容もおもしろい。ということで良い機会です。その若手にその本をプレゼント
しました。

そして昨日。

そんなことはすっかり忘れていたんですがたまたまロッカーで本の話になり、
僕がその後輩に向かって「そういえばあの本、どうだった?」と聞くと、
「あの本、最初の2ページ読んだところで意味があんまりわからないんでやめました」

・・・・???

――えっ???? たったの2ページ???――

僕の驚いた表情を見ていた別の後輩がその若手投手に言いました。
「失礼だなぁ!!せっかく古田さんが買ってくれたんだから・・

――そうだそうだガツンと言ってくれ!――

・・せめて10ページ位は読まなきゃ、ねえ?古田さん」だって・・

――― 10ページも一緒やろ!! ―――

「オイラ、悲しいとです。」(眞鍋かをり風に)
以上、悲しい時でした。

さて、今回僕がキャンプに持ってきた本を紹介します。



皆さんもお薦めの本があったらよろしくです。



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