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奇跡の後楽園ホール Krush観戦記 [格闘技]


今朝体調が悪くて会社を休んだにも関わらず、夕方から行ってきましたKrush 60kg級トーナメント決勝。

いや、一言で言うと、奇跡のような大会でした。

そもそもKrushって、第一回の山本元気vs桜井洋平からして尋常ではない盛り上がりでしたが、8月の60kg級トーナメントRound2は石川直生の2連続ハイキック逆転KOを筆頭に、文字通り失神モノでした。

その決勝。通常ならさすがに少し消化試合っぽくなるものだが、今日のリングは早々にレッドゾーンまでヒートアップ。明らかにただでは終わらない空気の中、まあとにかく全試合が尋常ではないブーストぶりだった。この興行はたしかに神がかっている。

リザーブファイト、久保優太vs水落洋祐。
久保、まるでボクシングの内藤を彷彿させる上体の柔軟さ。これは強いぞ。水落もさすが桜井をKOで切って捨てただけあってパンチにはキレがあるが、フルに戦って久保に軍配。
水落はどんどん良くなっていくなあと会場中が感心。

次、ある意味メインイベント。
1回戦・2回戦を連続ハイキックKOを成した石川直生。
対するは、唯一日本人で山本真弘をぶったおした“狂拳”竹内。
これがとにかくこのトーナメントの決勝以上に気になる試合。

果たしてその結果は。不敵に笑う竹内、しかしリーチで勝る直生はアウトボクシングを徹底、ロー、ジャブ、前蹴りで距離をキープ。しかし、パンチのある竹内のプレッシャーは強烈で、油断するとラッシュをかけられそうな空気が流れている。
ラウンドが進み、業を煮やした竹内がロープに追い詰めて打ち合いになった瞬間、ロープを背にした直生のヒザが一閃!アゴを蹴りぬかれた竹内は白目を向いて完全失神。後楽園ホールは絶叫に包まれる。なんと直生は3連続失神KOという、ワールドカップでハットトリックするくらいの快挙中の快挙、ミラクル決勝進出を決めたが、何やら悔しそうに顔をゆがめている・・・。

真弘vs元気、W山本対決。なぜかキックボクサーには山本が多い・・・
これはとにかく尋常ではない高いレベルの試合だった。とにかく、両者共に完璧な動作をしているので、「ローだロー」とか「回り込め」とか、そういう野次が飛ばない。言う前にやってるからだ。それをまた目にも留まらぬスピードでよけるよける。ディフェンスってのはこうだぞ、と言われても、練習しても真似できそうにない早いウィービング。ジャブをパーリングではたき落とす。フルラウンドまでやって両者全く動きが変わらない。むしろブーストしていく二人。会場はあまりの拮抗したぶつかり合いにため息。延長限界でマストシステム、真弘の勝ち。ただしこれは全く決着とは言えない、というか永遠に決着がつかないのではと思うほど、高次元な戦い。

スーパーファイト、前田尚紀vs上松大輔。飾らない前田vsイケメン上松、キャラ正反対ということで応援も二分。威力とプレッシャーは上松。これは前田ジリ貧かと思いきや、小刻みに当ててダメージを蓄積していく。パンチからローのコンビネーションが着実に功を奏し、動きが悪くな上松。ここでパンチの打ち合い・・・となった瞬間、左右がきれいに上松をとらえ、上松痛恨のKO負け。前田大人気。


ここで70kgトーナメントの決勝、廣野vs中島。
残念ながら僕はこの両選手があまり好きではない。というか山内含め、70kgのトーナメントは言っちゃ悪いがやっぱりスター選手は皆K-1 MAXで観ているので、ちょっと見おとりするんだよね。
60kgの真弘の試合の後に見ると、やっぱりスピードがグッと落ちる。魔裟斗だったら見劣りしないのに・・・。廣野選手は良い選手だが、やっぱり決め手に欠ける。そして中島選手は結果的に10戦10勝でトーナメント優勝ということだが、はっきり言ってただタフなだけでディフェンスが全然無い。ひたすら食らい続ける。タフさってそれはもちろん素晴らしいけど、いつか決定力のあるパンチを食らったら再起不能になるんじゃないかと。やめた方がいいよこのスタイルは。
熱いぶつかり合いで良い試合だったことは間違いないが、好きにはなれない選手達だった・・・。

そして決勝。真弘vs直生かと思いきや、ドクターがリングイン。直生がまぶたをカットして筋膜まで達しているのでダメだと。ブーイングに包まれる会場。そしてリザーバーに久保が登場する。

久保vs真弘。NJKF対全日本のチャンプ対決。とはいえ、やはりトーナメントを勝ち上がってきた真弘とリザーバーの久保では優劣は明確かと思いきや、試合は意外な展開になる。

リーチでまさる久保は、ディフェンスが柔軟で速い。真弘得意のアウトボクシングがむしろ裏目に出、むしろ久保がカウンターを中心に徐々にクリーンヒットを増やしていく。スピードマスター真弘は久保の柔軟なウィービングに焦りを隠せない。必死に攻め込むも、ろくろくダメージも与えられないまま最終ラウンドへ。絶体絶命、優勝は突如現れた久保に掻っ攫われるのかと思いきや!終了直前、捨て身でまっすぐ跳び込んだ真弘の左右が連続ヒット、まともにアゴに食らった久保がダウン!!大きな点差がついていなかった高レベルな試合を、最後の最後で真弘の意地がねじ伏せた。会場はダウンシーンで絶叫に包まれ、熱闘連発のKrushの決勝にふさわしいクライマックスとなった。

いやはやとにかく、18時からKO、ダウンの連続。何より、選手たちが強烈なモチベーションで素晴らしい熱闘。この熱さは先週のK-1MAXの比ではなく、むしろ先週の不完全燃焼を今日のKrushが完全に払拭してくれた。

素晴らしい!素晴らしいとしかいいようの無い後楽園ホールだった。

全日本キック無き今、Krushには本当にがんばってもらいたいが、この分なら安心だ。
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