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恵比寿、究極の趣味蕎麦、「玉笑(たまわらい)」 [[恵比寿]プチグルメ紀行]

かつて恵比寿には、「竹やぶ」という超有名な蕎麦屋があった(本店ではなかったが)。
その竹やぶの跡地に居抜きで開店した趣味蕎麦の店、それが「玉笑」である。

ネットで恵比寿の蕎麦屋を調べると、「香り家」「な々樹」「慈玄」くらいしか撮り沙汰されていないことに気づく。しかし、モノの本(蕎麦屋めぐり系)でたまに出てくる「玉笑」については、強烈な好奇心があった。

「玉笑」は恵比寿ガーデンプレイスから東側に下りる道沿いにひっそりとたたずむ。
この店に関する殆どの記事で書かれているとおり、外観は蕎麦屋に見えない。せいぜいオシャレ
な和食バーといったところか。

さて、中に入ると赤土色の土壁に響くフローリング。誰もいない・・・と、思ったら、それから10分以内にほぼ満席になってしまった。

初めての趣味蕎麦屋では必ず「天せいろ」を頼むことに決めている。僕はソレを、サクラコは「おろし蕎麦」を。つまみに玉子焼きを頼む。
が、メニューをよく見てみると、なんと「天せいろ」は一枚2600円。生ビール700円、熱燗で950円、冷酒最低1050円。全体的に非常に「イイお値段」である。唯一納得価格なのは「焼きみそ」で500円・・・。

さて、天せいろ。蕎麦はどうか。

蕎麦は透き通り、黒い星と白い粒粒が見える。
三合庵に少し似ているが、歯ざわりはこちらの方がやや滑らかか。香りも良し、つゆも辛口で良い。
ぶっちゃけ、おいしい。
パンチは山せみの方が上だが、とはいえ、「この蕎麦であるべき」というような、吟味に吟味を重ねた、洗練された蕎麦であると思った。

で、天ぷら⇒美しい5角形のかき揚げ。かき揚げと表現するには惜しい、美しいものである。

これを海老一つ分崩してつゆにつけて食べると、さくっとした良い歯ざわりのあと、じわっと強めのうまみが広がる。海老の旨み、良い塩、香りの良い油。
うまい。確かにうまい。

(全体としてはこんな感じ)

基本的に「天せいろ」の味に関しては、これはこれとして、つまりこのコンセプトとしてはほぼ満点と言ってもいいと思う。
サクラコが頼んだ「おろしそば」は無論「辛味大根」で、しゃきっと旨い。これも味はOKだ。

だが・・・。

おそらく我々夫婦はあと10年はこの店を再訪しないだろうと思う。
理由はカンタン。

極端な趣味蕎麦の店らしく、

1:高い。
2:少ない。
3:そばのおかわりがしづらい。

である。
神田の「藪」からして、「江戸前の粋な蕎麦屋」というのは量が少なくて高いものである。

しかし<酒を飲まずして>ランチで二人で5000円というのは表参道ヒルズなみであることは言うまでもないし、そもそも我々は蕎麦が満足行くまで食べたくて来ているのに、薬のようにちょろちょろと食べるのでは溜飲が下がらない。

これはイカン。

少なくとも地元の蕎麦屋としては非常にイカン。

「山せみ」などの良いところは、旨い蕎麦をきちんとした量、食べさせてくれるとこ ろにある。
夫婦のランチに7000円かけても良いヒトならば、是非気軽に通うといいと思う。


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コメント 2

代官山の年齢不詳人

サクラコさんから話は聞いていましたが、この生々しいばかりの鮮明な画像と、細やかな解説に、明日は天婦羅蕎麦!と決め込んでおります。実は私も、蕎麦屋では決まって天せいろを食します。私も以前、二つ程似たような経験があります。一つは、同じくこの先10年は再訪しないであろう事、もう一つは、とても美味しく頂いたがしかし、あまりにも満腹中枢が満たされず、蕎麦屋のハシゴをした事。これは本当にお勧めしません!何故なら、次の店に着く頃には満腹中枢も程よく指令を出しているので、最初の3倍以上は美味しくなければ結局満足せず、空しさだけが残るからです。。。
by 代官山の年齢不詳人 (2006-05-30 01:31) 

つねっち

>代官山さま
ああ~、蕎麦屋のはしごが無意味って分かりますわ~ 少ない蕎麦屋って、生活リズムを乱すんだよね…。
by つねっち (2006-06-03 12:26) 

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