「ルルドの奇跡」 ―ミュージカル座― [音楽・バンド・ミュージカル]
幼稚園からの同級生が、ある日突然ミュージカル女優になっていた。
「ある日突然」というのはもちろん経緯を知らない僕の視点であって、彼女は運命を変える強い意志と、1年半に及ぶしかるべき訓練を経て舞台デビューしたのだ。しかし、少なくとも僕の知る限りでは、動物病院に勤務していた30ウン才の女性が心機一転してミュージカル女優になったという話はあまりポピュラーではなかったので、心底びっくりした。ついでに、すこぶる感動した。
さて、そんな彼女がさりげなくデビューした舞台を観て来た。
僕ら夫婦はミュージカルが好きで、やれ誕生日だ記念日だとかこつけては年に2,3回は舞台に足を運んでいる。ミュージカルってまあまあイイお値段するのでしょっちゅうは通えないけど、スタンダードなものはだいたい観ておかないと死ねないとすら思っている。
海外モノの日本公演もいいけど、劇団四季をはじめとする日本のミュージカルもいいよね、というのは僕らの共通見解。
さて、同級生の舞台やいかに?
「ルルドの奇跡」 ―ミュージカル座―
http://www.musical-za.com/STAGE/lourdes08/stage.htm
150年前のフランスで起きた、不思議な実話をもとにした物語。
田舎町ルルドに住む貧しい少女ベルナデットは、ある日マッサビエルの洞窟で聖母マリアと出会う。やがて聖母の命ずるままにベルナデットが洞窟に掘った穴から泉の水が湧き出し、病人を治すという奇跡が起こり、その真贋をめぐって町は大騒ぎに。ベルナデットは嘘をついているのか、それとも本当に聖母と出会ったのか?
開幕直後。怪我人・病人の行列が歌いながら歩いていく。重厚で広がりのあるコーラス・アンサンブル。テーマ曲はまるでロシア民謡みたいな暗さ、でも印象的できれいなメロディ。人数の多さと、音程の正確さに驚く。ポルタメントもピタリ!なんだか、劇団四季よりもアンサンブルはきれい&正確に思える(四季は公演期間が長いのでコンディションの問題があるだろうけれど)。
アンサンブルが重厚だと、やはり賛美歌的なアプローチはぴったりハマる。
ストーリーの設定自体がそれなりに興味をひく上に、舞台転換が「速い」!!5秒くらいでポンポンシーンが変わる。イリュージョンのようだ。常設でもないのに、舞台の雰囲気はとてもよく出ていて、冒頭の街をさまよう雰囲気やわびしい家の食卓、メインの舞台である洞窟周辺も周囲の風景までが目に浮かぶ。
脚本もよくできている。次から次に展開していくので、まったく退屈するヒマがない。
主役・ベルナデット役の浦壁さんは本当によく通るすばらしくかわいらしい声。理想的なアニメ声というか(笑)。周りを固める著名オジサンキャスト達も完璧。市長役の光枝さんは、小心な悪役なのにいい声で歌いすぎで笑った。ドクターは今井清隆だしね。ジャンバルジャン演じる方ですから、そりゃあすばらしいものです。
(いつも思うのだけど、ミュージカルって若い男性が一番ヘタよね?なんでだろう(笑))
最後のシーンまで、ノンストップで畳み掛ける。音楽も総じて印象的で美しく、またコミカルなシーンでは薄ら笑いを浮かべてしまうほど楽しい。
本当に、よく練りこまれた舞台だ。題材、音楽、アンサンブル、大道具(?)がとてもよく調和していた。劇場の規模や、生演奏を度外視すれば、レ・ミゼラブルやオペラ座の怪人なんかに肉迫するレベルだと思った。「アスペクツ オブ ラブ」とかよりはずっと楽しめたよ。
今回の公演はもう終わってしまったが、もし次の公演に気づいたら、ぜひ行かれるとよろし。
同級生も次々がんばって舞台をこなして、ぜひ味のあるミュージカル女優として大成して欲しい。
「ある日突然」というのはもちろん経緯を知らない僕の視点であって、彼女は運命を変える強い意志と、1年半に及ぶしかるべき訓練を経て舞台デビューしたのだ。しかし、少なくとも僕の知る限りでは、動物病院に勤務していた30ウン才の女性が心機一転してミュージカル女優になったという話はあまりポピュラーではなかったので、心底びっくりした。ついでに、すこぶる感動した。
さて、そんな彼女がさりげなくデビューした舞台を観て来た。
僕ら夫婦はミュージカルが好きで、やれ誕生日だ記念日だとかこつけては年に2,3回は舞台に足を運んでいる。ミュージカルってまあまあイイお値段するのでしょっちゅうは通えないけど、スタンダードなものはだいたい観ておかないと死ねないとすら思っている。
海外モノの日本公演もいいけど、劇団四季をはじめとする日本のミュージカルもいいよね、というのは僕らの共通見解。
さて、同級生の舞台やいかに?
「ルルドの奇跡」 ―ミュージカル座―
http://www.musical-za.com/STAGE/lourdes08/stage.htm
150年前のフランスで起きた、不思議な実話をもとにした物語。
田舎町ルルドに住む貧しい少女ベルナデットは、ある日マッサビエルの洞窟で聖母マリアと出会う。やがて聖母の命ずるままにベルナデットが洞窟に掘った穴から泉の水が湧き出し、病人を治すという奇跡が起こり、その真贋をめぐって町は大騒ぎに。ベルナデットは嘘をついているのか、それとも本当に聖母と出会ったのか?
開幕直後。怪我人・病人の行列が歌いながら歩いていく。重厚で広がりのあるコーラス・アンサンブル。テーマ曲はまるでロシア民謡みたいな暗さ、でも印象的できれいなメロディ。人数の多さと、音程の正確さに驚く。ポルタメントもピタリ!なんだか、劇団四季よりもアンサンブルはきれい&正確に思える(四季は公演期間が長いのでコンディションの問題があるだろうけれど)。
アンサンブルが重厚だと、やはり賛美歌的なアプローチはぴったりハマる。
ストーリーの設定自体がそれなりに興味をひく上に、舞台転換が「速い」!!5秒くらいでポンポンシーンが変わる。イリュージョンのようだ。常設でもないのに、舞台の雰囲気はとてもよく出ていて、冒頭の街をさまよう雰囲気やわびしい家の食卓、メインの舞台である洞窟周辺も周囲の風景までが目に浮かぶ。
脚本もよくできている。次から次に展開していくので、まったく退屈するヒマがない。
主役・ベルナデット役の浦壁さんは本当によく通るすばらしくかわいらしい声。理想的なアニメ声というか(笑)。周りを固める著名オジサンキャスト達も完璧。市長役の光枝さんは、小心な悪役なのにいい声で歌いすぎで笑った。ドクターは今井清隆だしね。ジャンバルジャン演じる方ですから、そりゃあすばらしいものです。
(いつも思うのだけど、ミュージカルって若い男性が一番ヘタよね?なんでだろう(笑))
最後のシーンまで、ノンストップで畳み掛ける。音楽も総じて印象的で美しく、またコミカルなシーンでは薄ら笑いを浮かべてしまうほど楽しい。
本当に、よく練りこまれた舞台だ。題材、音楽、アンサンブル、大道具(?)がとてもよく調和していた。劇場の規模や、生演奏を度外視すれば、レ・ミゼラブルやオペラ座の怪人なんかに肉迫するレベルだと思った。「アスペクツ オブ ラブ」とかよりはずっと楽しめたよ。
今回の公演はもう終わってしまったが、もし次の公演に気づいたら、ぜひ行かれるとよろし。
同級生も次々がんばって舞台をこなして、ぜひ味のあるミュージカル女優として大成して欲しい。
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